シュウ酸カルシウム結石ができてしまった後の食事
目次
<シュウ酸カルシウム結石ができてしまった後の再発予防>
<シュウ酸カルシウム結石について>
<リスク要因/ラットにおける研究の文献や報告など>
<カルシウムを制限すると>
<マグネシウムを制限すると>
<脂質代謝異常(高脂血症)の好発犬種では>
<まとめ>
<シュウ酸カルシウム結石ができてしまった後の再発予防>
結論から申し上げますと、
- 尿の希釈(尿量を増やすこと)は、どの結石にも共通して重要
- マグネシウム/カルシウムの不足の食事はNG
- 脂質代謝異常症がある症例は、そのコントロールを徹底する
<シュウ酸カルシウム結石について>
まず、シュウ酸カルシウム結石症は再発率が高いという特徴があります。
そして、再発を繰り返す症例には、脂質代謝異常症がからんでいるケースが多いです。
このシュウ酸カルシウム結石は、尿路内で発生した際、ストルバイトのように食事管理で溶解することはできません。
自然に排泄するか手術が有用ですが、手術で取り除いたとしても、同じ食事を続けていれば再発率が高いことも知られています。
<リスク要因/ラットにおける研究の文献や報告など>
高脂肪食にすると
- 「高シュウ酸尿症」
- 「高カルシウム尿症」
をラットで引き起こすことが報告(2000年)されています。
また、
- 尿中カルシウムには変化は見られなかった
- 高シュウ酸尿症が見られた
などの報告もあります。
<カルシウムを制限すると>
食事中のカルシウム制限は逆効果となります。
なぜなら、尿中のシュウ酸排泄を増加させるリスクがあることが指摘されているからです。
食事でカルシウムを制限せずに摂取すると、シュウ酸とカルシウムが結合して便として排泄され、体内の吸収されるシュウ酸が減少します。
<マグネシウムを制限すると>
マグネシウムを制限した食事では、高カルシウム尿症のリスクが上がる可能性があります。
<脂質代謝異常(高脂血症)の好発犬種では>
シュナウザー種などの犬種では、シュウ酸カルシウム結石のリスクが高まります。
※高脂肪食と脂質代謝異常は、同じ言葉ではないので、そこにも注意が必要
<まとめ>
シュウ酸カルシウム結石の再発予防には、
- 尿の希釈(水分をとること)は、どの結石にも共通して重要
- マグネシウム/カルシウムの不足の食事はNG
- 脂質代謝異常症がある症例は、そのコントロールを徹底する