手作り食にすることは、ある意味ペットフードの添加物/酸化などの除去食試験
ドライフードから手作り食に変更(以下、ドライフード断ち)した時、
・「添加物」がなくなったことによる改善
がよくあります。
この改善は、除去食試験や負荷試験の考え方と似ているなと思っています。
(除去食試験/負荷試験の説明は文末の※に)
<ドライフード断ちの実感>
ドライフード断ちを行った症例のご家族が、実感することの多くに
・毛並みがきれいになった
・涙やけがなくなった
・パッド間の赤みが消えた
などがあります。
ドライフード断ちは、いわば
・添加物/酸化などを除去する除去食試験
のようだと思っています。
また、負荷試験の考え方と同様に、手作り食からフード(原因物質)に戻した場合には
・涙やけ
・体臭
・皮膚の赤み
などが再燃してしまいます。
これはフードの中の何か(添加物)に反応して、上記の症状などが起こっていることが確定的になります。
〈添加物は体に悪くないもの?〉
無添加と表記されているものも含め、市販のフード/おやつを食べてトラブルを抱えた子がドライフード断ちを行い解決した事例を、私は幾多目の当たりにしてきています。
「そんな話は信じられない」と思われる方にこの添加物の話をすると、引き合いとして以下が返ってきたことがあります。
「水も飲みすぎれば水中毒になる。
つまり量の問題だ。
なのでADI以下のフードの添加物は安全なのだ」
(語りだすと止まらないので、ここへのツッコミは割愛。)
マーケティング戦略として実際に使われる表現ですが、これは苦しい論法です。
そもそも、水”中毒”という単語自体が少し特殊な言葉です。
中毒ですが、中毒性の物質を摂取することによる中毒ではありません。
ここでの中毒と「中毒性の物質による」中毒を、混同して話すのは正しい説明ではありません。
この水中毒理論によると、
体に良いもの(水)ですら、摂りすぎると中毒になる
↓
要は量の問題
↓
添加物も、ADIという量の設定が定めてある
↓
ADI以下の添加物の摂取は安全、問題ない
といつのまにか、「添加物は体に悪くないもの」と論点をすり替えているに過ぎません。
(添加物が健康に何も問題ないのなら、そもそもADIの設定自体必要ありません)
ただ、”添加物”というと主語が大きくなります。
サプリメントも添加物ですし、全ての添加物が悪、と私はいいたいわけではありません。
<ある添加物の影響>
「ドライフード断ち」での変化をあまた見てきて、私には実感していることがあります。
それは、フード(犬猫用おやつも)に使われる「ある添加物」の影響は確実にあり、決して小さなものではないということです。
(当然、病院としてはデータもとっている)
ご家族の中には、ペットフードの「添加物」の影響を体感的に感じている方もいらっしゃいます。
ただ、言語化するとなると未知で難しいです。
それを言語化して
・原因追及(完全にはできないこともありますが)
・回避
のために、少しでもお役に立てる発信をし続けたいです。
※除去食試験/負荷試験とは
除去食試験や負荷試験とは本来、「食物アレルギーを調べる試験」です。
血液検査が正確のように思えるかもしれませんが、実は除去食試験がゴールドスタンダードとされています。
これらの試験は主に
・総合栄養食or療法食のフード→療法食フード(低アレルゲン)に変更
して試験されます。
このときかゆみが減ったかどうかで、食物アレルギー・犬アトピー性皮膚炎の診断をします。
ただフードでやってしまうと、添加物の影響により正確な判断ができないことがほとんどかと思われます。
(実際に療法食フードによる除去食試験は評判が悪いです。)