【ドライフード派向け】‐マグネシウム・ナトリウム不足?‐
「犬が顔などをペロペロなめてくるのは愛情表現」
と、ネットでは言われたりします。
ドライフード常食の子では、Na(ナトリウム)が不足している事例が多いです。
Naを確保しようと、人の口や腕や足、他の犬の尿を執拗に舐める事が起こります。
同様に、「飼い主が帰ってきたら喜んで、うれションをする」
のような事例もあります。
ここでもやはりフードを常食している事が多く、Mg(マグネシウム)の不足が疑われます。
このように、
・愛情表現を受けている
・うれションするほど喜んでくれる
と、のろけ話として見過ごされがちな出来事に、実は栄養性のトラブルのサインがひそんでいる事もあります。
ちなみに、「血液検査をして正常値である」ことは、これらの栄養が十分摂れていることの証明にはなりません。
なぜなら、生命維持に不可欠なこれらの栄養素は、血液中で一定に保つよう、様々な機構により制御コントロールされているからです。
余談ですが、よく食べられている下部尿路疾患用の療法食は
・「Mgを制限」している
・Naは一般フードよりもたくさん入ってる
そのため、長期間給与することで世間的には「Na過剰」を心配されることがありますが、Na量が一般フードより多いのはむしろ好都合です。
そんなことよりもMg不足が私は心配です。
この療法食を与えていて、粗相や尿もれ、うれションが増えたなと思われる方は注意が必要です。
「Mg」は、心臓や脳だけでなく、全身の臓器の働きなど生命維持に欠かせない重要な栄養素です。